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クロバー「咲きおり」と「オリヴィエ」はどう違う?比較してみた

クロバーの「咲きおり」は、他の織り機と見た目が違うけど、一体何が違うの?

クロバーの「咲きおり」と、「オリヴィエ」などの一般的なリジッドへドル機の違いについて解説します。

咲きおりの「メリット」と「デメリット」もしっかり説明します!

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オリヴィエ」と「アシュフォード」の織り機の違いを知りたい方は、こちらの記事へ!

目次

「咲きおり」と「リジッドへドル」、一番の違いは?

手織り機として人気のあるクロバー「咲きおり」。

見た目が明らかに他の織り機と違いますよね。いったいどこが違うんでしょう?

「咲きおり」と「オリヴィエ」などのリジッドヘドル機、一番違いがある部分は、糸を上げ下げするソウコウ部分です。

ズバリ、そのソウコウ部分がどのように違うのかと言いますと・・・。

咲きおりはオープンリード型

オリヴィエはクローズドリード型

ということです。

咲きおりはオープンリード型

オープンリード型とは、縦糸が「オープン」になっている、つまり織っている最中でも縦糸を取り外すことができる織り機のことを言います。

オリヴィエはクローズドリード型

一方、クローズドリード型とは、縦糸が「クローズ」になっている、つまり織っている最中に縦糸を取り外すことができない織り機のことを言います。

これら特徴によって、織り方や作品にどのような違いがでてくるのか、見てみましょう。

「咲きおり」でできること、メリット

1,織っている途中で縦糸を入れ替えられる

オープンリード型では、織っている最中に縦糸を交差することが可能です。

これによって何ができるかというと、代表的な例としては、縦糸をクロスさせて、ねじりもようを入れるなどです。

これはオープンリード型の代表的な例ですが、その他にも、箕輪先生の『手織り大全』に、オープンリード型特有の織り方がいくつか紹介されています。さらに深く知りたい方は、こちらをご参照ください。


『手織り大全』箕輪直子

2,枠の中で成形が可能

2つめの特徴は、枠の中で縦糸の整経が可能、という点です。

通常、オリヴィエで縦糸を貼るときは、広いスペースを必要とします。通常のマフラーですと、2メートル前後のスペースの確保が必要です。

この咲きおりでは、すべてが枠の中で完結します。わざわざ縦糸張りに広いスペースを準備する必要はありません。

3,縦糸張りと同時にソウコウの糸通しができる

3つ目の特長は、縦糸張りと同時に、ソウコウの糸通しができる、という点です。

オリヴィエですと、縦糸を取った後、さらにソウコウの穴に糸を通す作業が必要です。

しかし、咲きおりでは、縦糸を貼る際に、上から糸をカチッとはめながら行うので、後からの糸通しは必要ありません。

4,小型、薄型

4つ目の特長は、咲きおりはオリヴィエよりも小型で薄いということです。

こちらは咲きおりの40センチと、オリヴィエの40センチ。咲きおりの方が一回りコンパクトで、厚みも薄くなっていますね。

オリヴィエと比べると小さいのはもちろんですが、折りたたんだリジッド機と比べても、そのコンパクトさがわかると思います。

同じ40センチの幅が織れてこれだけ小さいのですから、扱いが楽になりますよね。

「咲きおり」でできないこと、デメリット

上では、咲きおりでできる事や咲きおりのメリットをお伝えしましたが、次は咲きおりでできない事、咲きおりのデメリット、などを挙げてみます。

1,ソウコウが50羽までしかなく、価格も高い

1つめは、咲きおりのソウコウが50羽までしかなく、価格も高い、という点です。

オリヴィエですと60羽までありますので、咲きおりよりも細い糸を使うことができます(アシュフォード互換)。

さらにオリヴィエでは、二枚ソウコウを利用することで2倍の密度で織れますので、理論上では120羽の密度まで織れることになります。つまり、オリヴィエでは極細の糸が織れますが、咲きおりでは並太から中細ぐらいまでしか織れません。

また、ソウコウの価格も、オリヴィエと比べるとかなり割高になります。

下記は、咲きおりとオリヴィエのソウコウの価格比較例です(変動は変動します)。

2,二枚ソウコウにできない

2つめは、2枚ソウコウにできない、という点です。

こちらは、サンプルイットルーム

咲きおりは特殊なソウコウを使用しているので、オリヴィエと異なり、2枚のソウコウを使用できません。

リジッド機では、2枚のソウコウを使うことで、二重の布を織ったり、2倍の幅の布を織ったり、綾織などもすることができますが、咲きおりではできません。

実は、箕輪先生のもう一つの本では、一部、咲きおりで二重織りをする方法について述べられています。ただし、ひもを一本通して糸を引き上げるという簡易なものなので、中央部分のみを二重織りにしたものです。基本的には、咲きおりで完全な二重織りをするのは難しいと思ってください。


はじめての手織りレッスン:卓上織機の基本や糸の種類、織り方をわかりやすく解説

3,ソウコウから糸が外れやすい

3つめは、ソウコウから糸が外れやすい、という点です。

糸が取り外せるのはオープンリード型の最大の利点でもあるのですが、意図せぬときにソウコウから糸が外れてしまうことがまれにあります。

特に、幅が広い作品を作るときは、端の糸が外れないように慎重に操作する必要があります。

4,ピックアップスティックを保持できない

4つめは、ピックアップスティックを保持できない、という点です。

オリヴィエで模様織りなどをする場合、ピックアップスティックで糸をすくったあと、そのままスティックを後ろ側で保持することで、模様を記憶させることができます。

何回かに一回ピックアップスティックを立てることで、同じ模様を再現することができます。

しかし、咲きおりの場合は、ピックアップスティックを保持できませんので、模様のパターンを記憶させることができません。毎回手で引き上げる必要があります。

咲きおりとオリヴィエ(リジッドへドル機)、両方使ってみた感想

実は、随分前になりますが、初めて買った織り機は、咲きおりでした。大きい方が色々なものが織れるだろうと、60センチのものを買ったのですが、大きすぎて使いづらく、最終的には手放してしまいました。

その後、40センチのものに買い替えました。

咲きおりでは、整形と糸通しを一度にできるので、オリヴィエのように一本一本の穴に糸を通す必要がなく、とても簡単だと感じました。

その当時は、織り機に慣れていなかったので、オリヴィエの糸張りは、咲きおりよりも難しいものと考えていました。

しかし、現在はオリヴィエの縦糸張りに慣れてしまったので、むしろこちらのほうがやりやすいと感じています。

つまり、多少の使い方の差はあっても、慣れてしまえば、どちらも自分にとっては使いやすいということですね。

オリヴィエか、咲きおりかを迷っている方は、何が作りたいか、で選ばれると良いかと思います。どのような作品を作りたいか、でおのずと選ぶ織り機が決まってくるでしょう。

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